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【上海=河崎真澄】200人以上の死傷者を出す惨事となった中国高速鉄道の追突事故で、今後の高速鉄道建設計画に暗雲が漂っている。今年末までに、高速鉄道は総延長が1万3千キロと、東京−博多間の東海道・山陽新幹線(営業キロ数1175キロ)の約11倍に達する予定だったが、今回の事故で鉄道当局のずさんな安全管理が浮き彫りになり、巨額の公共投資に頼った「まず建設ありきの無謀な計画」(関係筋)への批判が強まっている。
2008年9月の「リーマン・ショック」と金融危機を受け、同年11月に4兆元(約48兆円)もの景気対策を打ち出した中国。高速鉄道建設を中心に公共投資の経済効果で金融危機からは世界最速で脱したが、そこに落とし穴があった。
高速鉄道への投資額は今年だけで6393億元(約7兆7千億円)。来年以降も年間3300億〜5400億元の予算を組み、15年まで路線を年に2600〜4400キロずつ延伸する計画で、そのスピードぶりに安全管理が追いつくのかどうか、以前から懸念されていた。
採算性の問題も改めて指摘されている。着工からわずか3年で開業した北京−上海線の総投資額は公表されているだけで2200億元だが、関係筋によると50%近くは銀行融資や債券発行で賄われたもようだ。
計算上は中国の貸し出し基準金利で年間数十億元もの金利負担が生じる。営業コストなども重くのしかかり、「借金返済には時間を要する」(鉄道省の王勇平報道官)のは自明の理。旅客需要予測も詰めないままの“見切り発車”で航空路線との旅客奪い合いもあり、事故以前から高速鉄道は各路線で空席が目立っていた。
さらに、北京−上海間の専用軌道とは別の路線として、ほぼ並走する形で北京−天津線(117キロ)、南京−上海線(301キロ)も開業済み。高速鉄道同士がライバルになるという重複投資がまかり通っている。「このまま計画通りに高速鉄道の建設を続けると、一部の建設会社、車両会社、汚職官僚だけが潤って、国には巨額の借金だけが残る」との悲鳴も聞こえてくる。
一党独裁型の経済運営で金融危機からV字形の景気回復を果たして世界に注目された中国だが、市場関係者は、「事故を契機に高速鉄道の建設が今後はデフォルト(債務不履行)リスクになる」と話している。
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【上海=河崎真澄】中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故をめぐって26日、地元当局と死者1人の遺族の賠償協議がまとまり、50万元(約600万円)という中国では異例の高額な賠償金が支払われる見通しとなった。中国中央テレビなどが同日伝えた。今回の事故で賠償問題の合意は初めてという。早期に合意したことで数万元が加算されたとみられる。反発を強める遺族や世論を抑えて“幕引き”を急ぐ狙いがありそうだ。
賠償金50万元は、昨年の中国の1人あたり国内総生産(GDP)の20倍近い金額で、鉄道やバスなどの事故死に対する補償としては中国では過去最高水準だ。
だが「すでに生命反応はない」と当局が断定して救助作業を打ち切った後の解体撤去中に、車両から女児が救出された情報もネットで広がっており、「人命軽視もはなはだしい」と非難する声が上がっている。
中国国営新華社通信は25日深夜、事故による死者が40人に増えたと報じた。だがその後、39人に訂正するなど混乱が続いている。
中国当局は26日、高架からの落下後、一度は現場付近に埋めた追突側の先頭車両の残骸を掘り起こし、地上に残っていた5両とともに搬出する作業を行った。
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【ワシントン=柿内公輔】米連邦航空局(FAA)の職員約4千人が先週末からレイオフ(一時帰休)を余儀なくされている。航空会社への補助金支出などをめぐる与野党の対立で、FAAの財源を認可する法案の採決が見送られたためだ。連邦債務の上限引き上げ交渉が難航するなか、財政改革をめぐる議会の対立は航空サービスにも影を落としている。
FAAの徴税や支出など空港業務に必要な財源を担保する法律が22日で失効するのに伴い、議会は今年9月まで再延長する必要があったが、与野党の対立で可決できずに休会した。このため、翌23日からワシントンDCと35州、さらに米自治領プエルトリコの職員約4千人が出勤しないよう通告され、給与が支払われないままレイオフされた。
背景には、航空行政と財政改革をめぐる与野党の対立がある。航空会社が地方路線を維持するため連邦政府は補助金を出している。だが、共和党は財政赤字が問題になっているときに、「乗客1人あたり約1千ドルもの補助金を支給するのは問題だ」(マイカ下院議員)とかみつき、大規模空港から90マイル以内にある13の地方空港について補助金の停止を求めた。しかし、与党民主党は「地方都市にとってのライフラインを廃止するわけにいかない」と抵抗。法律の再延長に向けた両党の歩み寄りはみられない。
レイオフの対象には航空管制官など安全管理に直結する職員は含まれないが、FAAのバビット局長は米CNNテレビに対し「レイオフされた職員も重要な職務に就いており、この不況下で彼らを失業させるべきではない」と米議会の対応を非難した。空港建設計画への助成も中止されるため、建設作業員が職を失う恐れもあるという。
一方、思わぬ恩恵を受けそうなのが航空会社だ。米メディアによると、FAAが徴税権を失い、航空チケット代金に含まれる連邦消費税(代金の7・5%か1フライトにつき3・7ドル)は航空会社の懐に入る。逆に政府は、税収減と財政赤字拡大につながりかねない皮肉な構図になっている。
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